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2020.9.7

【作家が語る】大樋年朗―工藝2020出展作品から

黒陶 「夢見る童」 飾壺
大樋 年朗 2014年 W・D・H:42.5・42.5・36cm (大樋美術館蔵)【陶磁】

羊は人類と同化した、神からの大切な賜物である。黒い天然産の土に輪積法で造形し、白土にて指頭絵で「羊に童の夢を託す」のモチーフを表現し、金彩をアクセントに加えた作品とした。

大樋年朗(1927- ) ōhi Toshirō
石川県生まれ。1949年東京美術学校工芸科卒業。日展を主体に活動し、1956年北斗賞、1961年特選・北斗賞、1982年に文部大臣賞を受賞した。1985年日本陶磁協会賞受賞。1987年十代大樋長左衛門を襲名して茶陶の大樋焼の伝統を継承した。特異な装飾性と造形に優れた力量を発揮して現代陶芸を牽引し、1985年日本芸術院賞を受賞、1999年に日本芸術院会員となった。2004年文化功労者となり、2011年文化勲章を受章した。2016年長左衛門の名跡を長男・年雄に譲り、陶冶斎と称した。《黒陶「夢見る童」飾壺》は、近年に干支を主題としたシリーズの一つで、黒陶のおおらかな器胎に白土と金彩で描かれた神聖な羊の背に夢見る童が乗せてある。石川県金沢市在住。

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「工藝2020」開催概要や日時指定チケットの情報は公式サイトで

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

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