剥落のおそれがある部分を養生紙で保護してから運び出す=河村道浩撮影
随心院(京都市山科区)所蔵の「木造阿弥陀如来坐像」(平安時代)が、修理のため京都国立博物館の文化財保存修理所(同市東山区)に搬入された。
同寺が所蔵する重要文化財の3坐像の一つ。穏やかな顔立ちが特徴で、平安後期に活躍した仏師・定朝の作とも伝わる。
薄い紙を使って剥落のおそれがある表面部分を養生し、丁寧に梱包される阿弥陀如来坐像=河村道浩撮影
厳重に梱包する
坐像は4月中旬、傷みが激しい部分に養生紙を貼り、薄葉紙で梱包した後、2021年度に修理した本尊「木造如意輪観音坐像」と入れ替える形で修理所に搬入した。公益財団法人「美術院」(同市下京区)が顔や胸、左腕周辺で目立つ「漆箔」の剥離などを修理する。
京都国立博物館の修理所へ向かう
23年度には、3坐像の残る一つ「木造金剛薩埵坐像」を修理する予定だ。
(2022年6月5日付 読売新聞朝刊より)
重要文化財の三坐像とは…?
21年度は重要文化財「如意輪観音坐像」を修理しました