文化庁、宮内庁、読売新聞社による「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』―皇室の至宝・国宝プロジェクト―」は、2023年度も文化財修理への助成や特別展の開催に取り組みます。2018年11月にプロジェクトのスタートを発表してから5年―これからも「日本が世界に誇る美と技を1000年先の未来へ」の思いとともに、たゆまず活動を続けていきます。
仏像や絵画などの文化財は、時とともに虫に食われたり、紙が折れて絵の具が剥がれ落ちたりといった傷みが目立ってきます。そこで、傷みが進まないようにするための定期的な修理が欠かせません。紡ぐプロジェクトでは、協賛各社からの協賛金や、特別展の収益の一部をもとに、貴重な文化財の修理をサポートしています。
2019年度から始まった修理助成事業では、毎年公募の中から選考委員会で対象となる文化財を選んでいます。23年度は、国宝「薬師如来坐像」(奈良・新薬師寺蔵)など7件を選定し、これまでの合計は34件になりました。
「本物」に触れることで文化財の素晴らしさを実感し、保存継承への理解を深めてもらおうと、「紡ぐプロジェクト」では文化財活用=公開にも力を入れています。
23年度はまず、3月に東京国立博物館で特別展「東福寺」が開幕します。300年ぶりの大修理を終えた重要文化財「五百羅漢図」など、展覧会担当の研究員が「禅宗寺院で最後の『大物』」と称す東福寺の名品をまとめて鑑賞できる初めての機会です。
これ以降も魅力的な展覧会を企画しています。乞うご期待ください! 2023年も「紡ぐプロジェクト」をよろしくお願いいたします。
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