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2022.7.20

復帰50年特別展「琉球」九州国立博物館で開幕…今を生きる人々を励ます「万国津梁の鐘」も展示

国宝の紅型衣装(右手前)などを見る内覧会の参加者ら(15日午前、福岡県太宰府市の九州国立博物館で)=久保敏郎撮影

沖縄復帰50年を記念した特別展「琉球」(読売新聞社など主催)の内覧会が15日、福岡県太宰府市の九州国立博物館で開かれた。一般公開は16日から9月4日まで。

国宝の琉球国王尚家関係資料をはじめとする、美術工芸品や古文書、考古資料など約240件を展示。琉球・沖縄の文化や周辺諸国との交流の歴史を紹介している。

内覧会を訪れた人たちは、尚家ゆかりの色鮮やかな型染め「紅型びんがた」の衣装や、色とりどりの玉で飾られた「玉冠たまんちゃーぶい」などに見入っていた。

「万国津梁の鐘」… 琉球王国の気概の表れ 今を生きる沖縄の人々を励ます
「万国津梁の鐘」の写真を示しながら解説する田名館長

沖縄の本土復帰50年を記念した特別展「琉球」を監修した沖縄県立博物館・美術館の田名真之館長の講演会が16日に開かれ、来場者は熱心に耳を傾けていた。

講演では、国の重要文化財で特別展で展示されている「万国ばんこく津梁しんりょうの鐘」について解説。1458年に琉球王国の国王だった尚泰久が作らせて首里城正殿の前に設置されていたとされる鐘は、アジア各国との海洋交易が盛んだったことを象徴するもので、「万国津梁」には「世界の架け橋」の意味があるという。

田名館長は「琉球王国の気概や自負が表れており、今を生きる沖縄の人々を励まし、鼓舞してくれる存在でもある」と説明した。

特別展では、この鐘のほか、琉球国王・尚家関係の国宝や、美術工芸品など約240件を展示。特色豊かな沖縄の文化や歴史を紹介している。9月4日まで。

トーク&ライブ「琉球の宝 ウチナーの心」 沖縄の文化や歴史を紹介
特別展「琉球」の関連イベントに登壇した(左から)夏川りみさん、知花くららさん、ガレッジセール・ゴリさん=木佐貫冬星撮影

沖縄の本土復帰50年を記念した特別展「琉球」(読売新聞社など主催)が開催されている九州国立博物館(太宰府市)で18日、同展の見所などをPRする関連イベント「琉球の宝 ウチナーの心」が開かれた。オンライン参加を含めて約170人が、沖縄の文化や歴史などを紹介するトークショーや島唄のミニライブを楽しんだ。

イベントには、いずれも沖縄県出身で、お笑いタレントのガレッジセール・ゴリさん、モデルの知花くららさん、歌手の夏川りみさんらが出演した。

前半は、ゴリさんと知花さんらが、同展に展示されている琉球国王・尚家関連の美術工芸品や沖縄の文化などをテーマに語り合った。後半は夏川さんが沖縄で歌い継がれている「てぃんさぐぬ花」や「芭蕉布ばしょうふ」などを披露した。

ゴリさんは「博物館は過去と会話ができる場所。当時の人たちの熱い思いを感じてほしい」、知花さんは「作品をじっくりとみて新しい沖縄を発見する機会にしてもらえたらうれしい」と期待を込めた。夏川さんは「歌で沖縄のすばらしさを世界中に届けていきたい」と語った。

展示作品、チケット情報は公式サイトで! https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/

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