2022.6.21

絶対に見ておくべき「琉球」の美と技vol.1―独自に発展した漆の技法「堆錦」の衝立

東京国立博物館で6月26日まで開催中の特別展「琉球」では、復帰50年を記念した、まさに特別な機会だからこそ見られる「本物」があります。沖縄県立博物館・美術館の伊禮拓郎学芸員に選りすぐりの3点を紹介してもらいました。

黒漆くろうるし首里しゅり那覇港なはこう堆錦ついきん螺鈿らでん衝立ついたて
黒漆首里那覇港図堆錦螺鈿衝立 (正面)
黒漆首里那覇港図堆錦螺鈿衝立 (背面)
[原画]比嘉華山 [木地制作]玉城サンルー [髹漆・加飾]友寄英茂、亀島汝翼ほか
昭和3年(1928年) 鹿児島県歴史・美術センター黎明館蔵

琉球王国を代表する工芸品のひとつが「漆器」です。交易で栄えた琉球王国では、漆器は輸出品や献上品などとして重用され、さまざまな技を尽くした作品が残っています。

貝殻(沖縄ではヤコウガイの殻)を文様の形に切り出して貼り付ける「螺鈿らでん」や、漆の表面に文様を彫り、そこに漆と金箔を擦り込んで描き出す「沈金ちんきん」など、精緻で見事な技に圧倒されます。

この衝立に用いられているのは「堆錦ついきん」という技法。漆に顔料(絵の具)を混ぜ、練って作った「餅」を文様の形に切り抜き、貼り付けていきます。立体的な表現ができるのが特徴です。漆は高温多湿な環境で「乾く(固まる)」不思議な素材。本土より多湿な沖縄だからこそ実現できた表現と言えるでしょう。

昭和天皇のご即位を祝して、沖縄県から献上された一品で、にぎわう那覇港と、もう片面には首里の「中山門」を描いています。ヤシやガジュマル、デイゴなどの植物にもぜひ注目してください。

特別展「琉球」は7月16日から九州国立博物館で開催! 公式サイトはこちら→ https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/

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