2021.4.27

【動画あり】高野山の国宝「阿弥陀聖衆来迎図」修理前に公開 準備作業に密着

紡ぐプロジェクトが行う2021年度の修理助成事業の対象となっている国宝「絹本著色けんぽんちゃくしょく阿弥陀聖衆来迎図あみだしょうじゅらいごうず」(和歌山・有志八幡講蔵)が、高野山霊宝館(和歌山県高野町)で開かれている開館100周年記念大宝蔵展「高野山の名宝」に展示されている。修理に先立つ最後の公開で、展示は6月6日まで。準備作業に密着した。

100周年を迎えた高野山霊宝館
来迎図のために作られた展示ホールで
阿弥陀聖衆来迎図

来迎図は3幅からなり、本紙は合わせて縦約2.1メートル、横約4.2メートル。阿弥陀如来を中心に様々な仏様が楽器を奏でながら、往生者を迎えにくる様子を描いており、平安仏画の傑作と言われている。比叡山などを経て16世紀に高野山へ伝わったとされ、現在は高野山の14か寺からなる「有志八幡講」が所蔵し、高野山霊宝館で大切に保管されてきた。

来迎図を守り伝えてきた収蔵庫

展覧会を前に、2つの箱に分けて収められた来迎図が収蔵庫から取り出され、運搬業者によって紫雲殿へと運び込まれた。

鳥羽正剛学芸員が「ゆっくり、ゆっくり」と声をかけ、数人がかりで真ん中のお軸から順番に掛け、位置などを念入りに調整した。

来迎図が展示されるのは、霊宝館の中心となる建物「紫雲殿」。紫雲とは仏様が乗る雲のことで、紫雲殿はまさにこの来迎図を展示するための施設として設計され、ほかの建物と共に1921年に開場、今年で100周年を迎えた。

「紫雲殿」の額の下に飾られている

鳥羽学芸員は「霊宝館は金剛峯寺と高野山内の子院(寺)の宝物を預かってきたが、この絵は絵画の中でもとりわけ貴重なもの」と話す。高野山で大切に守り伝えられて来たが、絵の具の剥落はくらくなどが進んでおり、絵に負荷がかからないよう、公開の機会は慎重に検討されてきた。「(修理後は)コンディションが良くなるため、お披露目する機会も増えるのでは」と期待する。

三大秘宝、運慶の八大童子も公開
公開された来迎図★

展覧会ではこのほか、空海直筆の出家宣言書である国宝「聾瞽指帰ろうこしいき」、空海が唐から持ち帰ったとされる仏像の国宝「諸尊仏龕しょそんぶつがん」、空海が中国・唐から投げて高野山まで届いたとの伝説がある法具「飛行三鈷杵ひぎょうさんこしょ」(重文)の「三大秘宝」をはじめ、運慶作の国宝「八大童子立像」など、高野山に伝わる計221点を4期にわけて紹介する。2021年11月28日まで。

大日如来の世界をイメージした意欲的な展示も★

霊宝館の公式サイトはこちら

(取材・撮影 読売新聞デジタルコンテンツ部 沢野未来、和歌山支局 坂戸奎太★)

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