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2021.10.8

【天台特集 vol.2】各地に息づく教え~東叡山寛永寺、徳川将軍家の菩提寺

寛永寺の根本中堂(東京都台東区で)

比叡山延暦寺を拠点にした最澄は、東国へ布教の旅に出て、下野国(栃木県)などで教えを説いた。

その後、江戸時代の寛永2年(1625年)、「東の比叡山」として東叡山寛永寺が現在の上野公園に建立され、関東の天台宗の一大拠点となっていく。創建したのは、徳川家康、秀忠、家光3代にわたって重用された慈眼大師天海。織田信長による比叡山焼き打ち後、その再興に尽力したことでも知られる高僧だ。

重要文化財「慈眼大師(天海)坐像」 康音作 江戸時代・寛永17年(1640年) 栃木・輪王寺蔵 東京で展示

寛永寺の執事、石川亮岳さんによると、御所の鬼門、北東の方角に位置する比叡山の再現を意図し、東叡山も江戸城の北東に整備された。「不忍池を琵琶湖に見立てるなど随所にこだわりも感じられます」と、石川さんは話す。

寛永寺は徳川将軍家の菩提ぼだい寺として影響力を強め、最盛期には30万坪超の広大な敷地内に多くの大名が寺院を構えた。桜の名所として庶民の人気も集めた。新政府軍と旧幕府軍の戦いの地となったこともあり、現在はかつての敷地の大部分が都立公園となっている。

重要文化財「薬師如来及び両脇侍立像」薬師如来 平安時代(9~10世紀) 東京・寛永寺蔵 東京で展示
重要文化財「薬師如来及び両脇侍立像」脇侍(左) 平安時代(11~12世紀) 東京・寛永寺蔵 東京で展示
重要文化財「薬師如来及び両脇侍立像」脇侍(右) 平安時代(11~12世紀) 東京・寛永寺蔵 東京で展示

今回の特別展の東京展では、かつての敷地内に立つ東京国立博物館を会場に、寛永寺の根本中堂にまつられる重要文化財「薬師如来及び両脇侍立像」などが出展され、秘仏本尊の薬師如来立像を間近で鑑賞できる貴重な機会となる。

(2021年10月3日読売新聞から)

展覧会公式サイトはこちら

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」 (yomiuri.co.jp)

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