銀、銅、赤銅、四分一、黒味銅の板を26枚重ね合わせて接合し、表面を削っては打ち延べる工程を繰り返して制作した花器です。銀と四分一による白い層を上層に、赤銅、黒味銅、四分一による黒い層を下層に重ね、それを大胆に削り出すことにより、白い層と黒い層の対比を試みました。
佐故龍平(1976- ) Sako Ryūhei
岡山県生まれ。2002年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。伝統工芸を主体に活動し、2003年日本伝統工芸展で優秀賞を受賞。伝統工芸日本金工展や佐藤基金淡水翁賞等でも受賞を重ねた。銀を主に、銀や銅、四分一等の各色の板を多種多数重ねて溶着した地金を打出す杢目金の技法を揮って、鍛金の花器や茶器に評価を得ている。《杢目金打出花器》は、銀や四分一、黒味銅等による杢目金で打出した広口の花器で、段々の筋を浮かべながら下段の銀の白から上方へ黒みの朧を表した端正な作品である。岡山県岡山市在住。
0%