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2020.9.7

【作家が語る】中川衛―工藝2020出展作品から

象嵌朧銀花器ぞうがんおぼろぎんかき 「チェックと市松いちまつ
中川 衛 2020年 W・D・H:38・11・25cm (個人蔵)【金工】

風呂敷で物を包む時、四方の角を対角線に結びます。まず一対を結び、残りの一対を結ぶ際に風呂敷を引っ張りますが、その一瞬のかたちの美しさをヒントに形をデザイン化し、朧銀で鋳造しました。作品の文様は、タータンチェックと市松模様を重ね合わせたものを、金、銀、赤銅、並四分一、上四分一、白四分一など金属の素材を使い多重象嵌してあらわしています。織物の縦糸と横糸の織りなす色の変化の美しさを金属で表現しています。

中川 衛(1947- ) Nakagawa Mamoru
石川県生まれ。1971年金沢美術工芸大学産業美術学科を卒業し、1974年加賀象嵌の高橋介州に師事して修業した。伝統工芸を主体に活動し、日本伝統工芸展で1988年優秀賞、1996年奨励賞、2001年に日本工芸会保持者賞と受賞を重ねた。加賀象嵌の伝統を基本とし、特に朧銀等でつくった器胎に金や銀、四分一等の金属を平象嵌しさらに象嵌を重ねるなどして、自然のモチーフや幾何学的な文様意匠に現代的な感覚に満ちた造形としている。2002年MOA岡田茂吉賞展工芸部門大賞、2004年伝統文化ポーラ賞優秀賞受賞。2004年重要無形文化財「彫金」保持者の認定を受けた。石川県金沢市在住。

工藝2020の出展作品一覧・関連記事はこちら

「工藝2020」開催概要や日時指定チケットの情報は公式サイトで

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

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