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2022.9.26

沖縄の伝統芸能「組踊」 琉球王国時代の特設舞台を再現して披露…10月、国立劇場おきなわ

沖縄の伝統芸能「組踊くみおどり」が国の重要無形文化財指定50周年を迎え、記念公演が10月14~16日、国立劇場おきなわ(沖縄県浦添市)で行われる。

組踊は、中国皇帝の使者(冊封使さっぽうし)をもてなすために琉球王国の踊奉行・玉城たまぐすく朝薫ちょうくんが創作した歌舞劇で、初めて披露されたのは1719年。沖縄の本土復帰に合わせて、1972年に重要無形文化財に指定された。

1719年の首里城と舞台を描いた「中山伝信録」=国立劇場おきなわ提供

当時の記録には、首里城に特設舞台を設けた様子が描かれており、今回は劇場横の公園に舞台を特設し、当時の様子をよみがえらせるという。

演目は、初回に上演した「執心鐘入しゅうしんかねいり」など5作品を3日間ですべて上演する。

金城真次芸術監督は「50周年にふさわしい豪華な顔ぶれ。これからの伝統芸能の担い手となる若手も参加しており、未来につながる公演にしたい」と話す。

復元した「からくり花火」も披露
2021年に披露した琉球のからくり花火「大団羽(おおうちわ)」=国立劇場おきなわ提供

公演の後には「からくり花火」を披露する。飾りひもや掛け軸、人形などの仕掛けが独特の花火で、冊封使をもてなす仲秋のうたげの夜だけ披露された。記録だけが残り、その技は途絶えてしまったが、2019年に復元した。

今年は復元を担当した同劇場の茂木仁史調査養成課長が「劇的な変化が見もの」という「四輪車」を披露する。「精巧な仕掛け、美しさと驚きで魅了されるはず。200年、300年前の舞台を見てほしい」

問い合わせは国立劇場おきなわチケットカウンター(098・871・3350)。

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