
「すごい。めっちゃ細かい」「これは何の骨でつくったの」
〔2026年〕6月17日、北海道根室市の義務教育学校「市立歯舞学園」で、総合学習の授業中に、アザラシやクジラなどの骨を加工した釣り針や、アザラシをかたどったペンダントを見た5年生13人が感嘆の声を上げた。いずれも、2019年に第13回読売あをによし賞本賞を受賞した
北構さんは印刷会社を営む傍ら、約80年にわたってオホーツク海側の地域や北方領土などで発掘調査を続けた。私費を投じ、協力する大学生の報酬や泊まる場所を確保した。次女の山田信子さん(67)は「会社は社員に任せ、考古学ばかりだった。亡くなる直前も『サハリンに調査に行ってきて疲れたよ』と夢の中の話をしていた。最後まで北方の古代を突き止めることしか頭になかった」と振り返る。

本州以南は水田稲作が伝わって縄文時代から弥生時代に移行したが、北海道では稲作は行われず、縄文時代から続縄文、
5世紀頃には道東や道北へ生活圏を広げ、道内で発展した縄文以来の文化と融合。13世紀に成立したアイヌ文化の要素の一つとされており、特にクマやシャチへの信仰心などはアイヌ文化にも受け継がれた。
北構さんは17年、「根室の子どもたちに自分がやってきた仕事を引き継いでもらいたい」とコレクションを根室市に寄贈した。保管する市歴史と自然の資料館の学芸員、猪熊
北構さんは東京の大学とも連携して調査を主導し、住民への理解促進にも努めた。猪熊さんは「オホーツク沿岸の考古学の発展は北構さんの功績なしには語れない。価値をしっかりと記録保存し、次の世代へと引き継いでいきたい」と話す。(辰巳隆博)
(2026年8月2日付 読売新聞朝刊より)
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