2022.6.21

【修理リポート】重要文化財「東妙寺文書」(佐賀・東妙寺蔵)修理所へ…約100年ぶりの修理

東妙寺文書の状態を確認する早田住職(左)と藤井社長(佐賀市の佐賀県立博物館で)

東妙寺(佐賀県吉野ヶ里町)に伝来する重要文化財「東妙寺文書」の保存修理が約100年ぶりに行われる。九州では初の紡ぐプロジェクトの助成事業となる。

同文書は後醍醐天皇の綸旨りんじ、足利義満の御教書みぎょうしょなど32通からなり、蒙古襲来をきっかけに創建された寺の歴史や九州の南北朝動乱を物語る史料として歴史的価値が高い。大正時代に現在の3巻の巻物に仕立てられたとみられるが、紙の折れや虫食いが見られ、紙継ぎ部分の凹凸が目立つなど損傷が進んでいた。

修理は2025年3月までの3年間、九州国立博物館(福岡県太宰府市)内の修理工房で、「修理工房 宰匠ざいしょう」(同県筑紫野市)が担当する。巻物を解体して1枚ずつの状態に戻し、裏打ち紙や補修紙を取り除いて汚れを除去、虫食い部分などを補修して、新しい巻物に仕立て直す。

4月中旬には文書が寄託されている佐賀県立博物館(佐賀市)で、東妙寺の早田空順住職(51)と宰匠の藤井良昭社長(43)が立ち会い、汚れや虫食いの状況を確認した。早田住職は「大切に守り、次の世代に手渡していきたい」と語った。

(2022年6月5日付 読売新聞朝刊より)

重要文化財「東妙寺文書」とは…

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