「絹本著色阿弥陀聖衆来迎図」の状態を確認する関係者ら

2021.6.28

高野山の至宝、国宝「阿弥陀聖衆来迎図」が修理で運び出し

文化庁、宮内庁、読売新聞社が進める「紡ぐプロジェクト」の文化財修理事業で、高野山霊宝館(和歌山県高野町)で公開されていた国宝「絹本著色けんぽんちゃくしょく阿弥陀あみだ聖衆来迎図しょうじゅらいごうず」(有志八幡講所蔵)が6月14日、運び出された。約5年間かけて、滋賀県の坂田墨珠堂が修理する。

来迎図は3幅合わせて縦約2メートル・横約4メートルの平安仏画の傑作で、金色の阿弥陀仏が、往生者を迎えに来た様子が描かれている。詳しい製作年代は不明だが、皇族が描かせたという説があり、室町時代には比叡山にあったことが確認されている。織田信長の比叡山焼き打ちの際に持ち出された可能性があり、16世紀には高野山へ伝わったとされる。

この日の作業では、霊宝館職員や修理業者らが来迎図を広げて損傷具合などを点検。搬出前に僧侶が般若心経などを唱えて、送り出した。今後、剥落はくらくが進んだ絵の具の安定化や、接着力が低下した裏打紙の取り換えなどを行うという。

霊宝館の鳥羽正剛学芸員(53)は「後世に受け継いでいけるよう、多くの方のお力添えをいただいて、5年後、無事にまたお披露目したい」と話した。

(2021年6月15日 読売新聞和歌山版から)

( 読売新聞和歌山支局 大田魁人、写真 大阪本社写真部 枡田直也)

運び出しの作業に密着しました

Share

0%

関連記事Related articles

編集部からFrom the Editor

一覧ページへ