日本美を守り伝える「紡ぐプロジェクト」公式サイト

2023.8.9

京都・浄瑠璃寺の国宝「阿弥陀如来坐像」- 奈良で開催中の「聖地 南山城」展で展示

2020年度「紡ぐプロジェクト」修理助成

国宝「阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀)」のうち「その1」(右)と「その8」 浄瑠璃寺蔵 (奈良国立博物館で)

「紡ぐプロジェクト」の修理助成事業の対象で今年〔2023年〕3月に修理を終えた、浄瑠璃寺(京都府木津川市)の国宝「阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう九体くたい阿弥陀)」のうちの2体が奈良国立博物館で開催中の特別展「聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」で展示されている。

国宝仏像2体の背中 間近に

浄瑠璃寺は、平安時代後期、末法思想が広がり、極楽浄土への生まれ変わりを願う貴族に流行した浄土教信仰を伝えた寺院。「九体阿弥陀」は中央に最も大きな「中尊」を置き、左右に4体ずつ並ぶ形で、平安時代のものとして唯一残る貴重な仏像だ。

今回の修理は、1909年(明治42年)から翌年にかけて行われて以来、約110年ぶりで、2018年度から5か年計画で進めた。筆や刷毛はけで全体のほこりを払い、金箔きんぱくなどが浮き上がっていた箇所に剥落はくらく止めを施した。

特別展には、最終年度に修理した「その1」と「その8」の2体が光背を取り外して展示されており、背中を間近に見ることができる。特別展は〔2023年〕9月3日まで。「その1」は9月16日から東京国立博物館の特別展「京都・南山城の仏像」に展示する。

紡ぐプロジェクトとは

国宝や重要文化財、皇室ゆかりの名品、伝統文化、技術などを保存、継承していく官民連携の取り組み。文化庁、宮内庁、読売新聞社が2018年に開始した。展覧会の収益の一部や、企業からの協賛金などを活用し、文化財の修理を助成し永続的な「保存・修理・公開」のサイクル構築を目指す。これらの文化財の魅力や修理作業の経過に加えて、次世代に伝える伝統芸能、工芸の技術などを、紙面やサイトを通じて国内外へ情報発信している。

(2023年8月6日付 読売新聞朝刊より)

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