室町から江戸時代にかけて醍醐寺三宝院(京都市伏見区)の門跡(住職)を務めた
肖像画はそれぞれ縦90~96センチ、横41~50センチ。像の着衣、持ち物、体勢、衣類のしわの位置などが同じ像容で描かれており、時代を隔てた制作でありながら強い一体性が見られることから、2020年に5幅一括で重要文化財に指定された。
しかし5幅とも経年劣化による折れが生じ、絵の具の
この日は松鶴堂の担当者が初年度に実施した損傷状況の調査結果を報告した。制作年代が最も古い満済像の場合、顔部分のオリジナルの絹が失われ、絵の具が古い
醍醐寺の飯田俊海学芸員(54)は「5幅の絵の調査結果を聞き、裏打ちや墨書き、巻き軸の金具などに過去の技術者が様々な思いを込めて修理を進めたことがわかった。今回の修理では最新の技術が駆使されるので、その過程で、さらに新しい発見があると期待している」と話した。
(2025年8月3日付 読売新聞朝刊より)
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