文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」の文化財修理助成事業で、成就寺(和歌山県串本町)が所有する重要文化財「方丈障壁画 長沢芦雪筆」45面のうち8面が修理されることになり、4月28日、寄託先の和歌山県立博物館(和歌山市)から京都国立博物館(京都市)内の文化財保存修理所に運ばれた。
8面はふすまに貼られており、各縦約1.7メートル、横約90センチ。中国の詩人を題材にした「林和靖図」(4面)と、竹などが描かれた「花鳥群狗図」(4面)で、表裏になっている。
この日は、県立博物館の収蔵庫で、学芸員らが両図の傷んでいる場所を確認した後、作業員らが保護紙などに梱包。トラックで京都国立博物館へ出発した。修復は京都市の修理工房「松鶴堂」が担い、2年計画で破れているか所の補修や下地の新調などを行う。
同寺の大崎克己住職は「関係者の尽力で修理が始まることをありがたく思っている。修理することで作品も生きて後世に残せる」と話した。
(2021年4月29日読売新聞和歌山県版より)
(読売新聞和歌山支局 岡田英也、写真:デジタルコンテンツ部 岡本公樹)
【動画あり】長沢芦雪の障壁画 修理が完了
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