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2023.4.27

重要文化財「障壁画」(和歌山・草堂寺蔵) 県立博物館から修理へ搬出

搬出前に「松月図」を確認する関係者ら(和歌山県立博物館で)=大塚直樹撮影

文化庁、宮内庁、読売新聞社が取り組む「紡ぐプロジェクト」の文化財修理事業で、白浜町の草堂寺が所有し、県立博物館(和歌山市)で保管されている重要文化財の障壁画の一部が〔2023年4月〕26日、運び出された。京都市の工房「松鶴堂」が約5年をかけて修理する。

障壁画は、円山まるやま応挙おうきょ(1733~95年)の作品と、その門人で師の作品を携え県南部を訪れた長沢芦雪ろせつ(1754~99年)による作品。計71面5隻あり、動物や自然などが大胆な構図で表現されている。制作年代が明らかになっていることから、応挙と芦雪の画歴をたどる上できわめて貴重とされる。

襖絵の状態を詳しく確認した(和歌山県立博物館で)=大塚直樹撮影

修理は5年計画で、芦雪の襖絵ふすまえ「張良吹笛図」「征師図」「朝顔図」、応挙の「松月図」の計14面が対象。昭和初期以降は本格的な修理を行っておらず、シミや虫食いなどの劣化がみられるため、汚れを取り除いたり、紙を貼り替えたりする予定という。

この日の搬出作業には、同寺の磯崎泰寛住職(51)や博物館の学芸員らが立ち会い、損傷具合を点検した後に送り出した。磯崎住職は「寺での修復は難しいのでありがたい。きれいな姿になって、多くの人に見ていただきたい」と話した。

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