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2025.12.22

運慶展からお戻り — 国宝仏7体 興福寺で開眼法要

東京国立博物館で〔2025年〕9~11月に開かれた特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」(読売新聞社など主催)に出展された、興福寺(奈良市)の国宝仏7体が寺に戻り、20日、仏像の魂を戻す開眼法要が営まれた。

特別展を終えて北円堂に戻り、安置される弥勒如来坐像(16日)

特別展では、北円堂の本尊・弥勒如来坐像ざぞうと、無著菩薩むじゃくぼさつ立像、世親せしん菩薩立像、中金堂の四天王立像(持国天、増長天、広目天、多聞天)の計7体を展示。約30万人が来場した。

今月から約4か月ぶりに仏像を境内に戻す作業が行われ、寺や博物館の担当者が立ち会う中、運送会社の作業員らが像の厳重な梱包こんぽうを解き、位置を微調整しながら丁寧に安置した。

開眼法要を営む森谷貫首ら(いずれも奈良市で)

この日は北円堂の仏像の前で、森谷英俊貫首ら僧侶5人が読経し、盛況のうちに閉幕したことを報告した。森谷貫首は「無事に戻られてほっとした。特別展には小さな子どもも訪れていて、歴史文化に興味を持ってくれていればうれしい。引き続き境内でも親しんでもらいたい」と話した。

毎年春と秋の恒例だった北円堂の特別公開は、特別展に向けた準備などで2024年の春を最後に中断していたが、来年は春(4月26日~5月10日)から再開する予定。

(2025年12月21日 読売新聞朝刊より)

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