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2024.4.12

奈良・当麻寺練供養 準備に熱 - 「菩薩講」所作や衣装継ぐ

講員の見守る中、独特の所作を披露する観音菩薩役(手前)と勢至菩薩役(葛城市で)

葛城市の古刹こさつ・当麻寺で〔2024年4月〕14日、伝統行事「練供養会式ねりくようえしき」が営まれる。先月21日、国の重要無形民俗文化財に指定されたばかり。「菩薩ぼさつ講」と呼ばれる地域の人々が面や衣装を伝え、所作を受け継いできた。重要無形民俗文化財指定という節目の年に、寺と一緒に伝統をつなぐ講員らは「さらに100年、200年と続くよう努めたい」と話し、準備にも熱がこもる。(指尾喜伸)

奈良時代の貴族の娘、中将姫が一晩で本尊「綴織當麻曼荼羅つづれおりたいままんだら」(国宝)を織り上げた後、菩薩に導かれ、極楽浄土に旅立ったという伝説を再現した儀式。中将姫の命日に合わせて営まれ、1000年以上続くとされる。

浄土を表す本堂の曼荼羅堂と、現世に見立てた娑婆しゃば堂の間に約110メートルの「来迎らいごう橋」と呼ばれる橋を架設。その上を金色の面をかぶり、装束をまとった25体の菩薩が厳かに往復する。

この菩薩役を務めるのが菩薩講の人々だ。講は300年以上続くとされる世襲団体で、今は葛城と香芝、橿原の3市にまたがる約150世帯で作る。面や衣装を維持し、大きく腰を落として歩く独特の所作を引き継ぐ。重要無形民俗文化財指定に際しても、儀式を守る講の存在が評価の対象になった。

3月31日には、講員約40人が同寺塔頭たっちゅうの護念院に集まり、「練り初め」法要が営まれた。葛本雅崇住職(53)が受け取ってきたばかりの同文化財指定の認定証を示し、「文化庁の認定式に参列してきました。講の皆さんの伝統を大切にする活動の尊さに、感謝しかありません」とあいさつ。その後、地域ごとにくじを引き、どの菩薩にふんするかを決める抽選会が行われた。

今年の配役が決まると、観音菩薩、勢至菩薩が登場。中将姫の像をささげて歩くなど重要な役割を担う両菩薩は、あらかじめ扮する講員が決まっており、集まった人たちが見守る中で練り歩き、練習を重ねてきた所作を披露していた。

重要無形民俗文化財に指定

菩薩講の代表を務める桝井正広さん(78)は「毎年、講の皆さんと話し合いながら、準備を進めている。今年は指定を受けた特別な年。後継者が減っているのが大きな悩みだが、これからもっと熱を入れて続けられるよう取り組んでいきたい」と話していた。

練供養会式は14日午後4時から。雨天の場合は来迎橋ではなく、曼荼羅堂の周囲を練り歩く。

(2024年4月8日付 読売新聞朝刊より)

特別展「法然と極楽浄土」では當麻寺に伝わる「菩薩面」が展示されます

4月16日に東京国立博物館で開幕する特別展「法然と極楽浄土」では、2004年まで実際に使われていた菩薩面24面のうち、「普賢」や「観音」など鎌倉時代のものを含む4つの面をご覧いただけます。展示作品や期間をまとめた「出品目録」など、詳しくは展覧会サイトで。

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/honen2024-25/

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