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2024.4.22

極楽への旅路 ― 奈良・当麻寺「練供養会式」

〔奈良県〕葛城市の当麻寺で〔2024年4月〕14日、奈良時代の貴族の娘・中将姫の極楽往生を再現する「練供養会式ねりくようえしき」が営まれた。3月には国の重要無形民俗文化財に指定。1000年以上続くとされる伝統行事を参拝者らが見守った。

中将姫が同寺の国宝「綴織當麻曼荼羅つづれおりたいままんだら」を一晩で織り上げ、菩薩ぼさつらに極楽浄土へと導かれる様子を表した儀式で、姫の命日に合わせて営まれている。

菩薩に扮して来迎橋を練り歩く一行(14日、葛城市で)

極楽浄土を象徴する曼荼羅まんだら堂(本堂)と、現世に見立てた娑婆しゃば堂の間に架けられた約120メートルの来迎らいこう橋を、姫の像を手にした観音菩薩を先頭に、菩薩にふんした一行がゆっくりと練り歩いた。

和歌山県から訪れた70歳代の女性は「人生は短く、悲しいことや苦しいことがいっぱいだが、極楽では心配ごともないでしょう。中将姫が祝福される物語が素晴らしいです」と話した。

(2024年4月16日付 読売新聞朝刊より)

「練供養会式」で使われた菩薩面も展示中です!

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