葛城市の
古刹 ・当麻寺で〔2024年4月〕14日、伝統行事「練供養会式 」が営まれる。先月21日、国の重要無形民俗文化財に指定されたばかり。「菩薩 講」と呼ばれる地域の人々が面や衣装を伝え、所作を受け継いできた。重要無形民俗文化財指定という節目の年に、寺と一緒に伝統をつなぐ講員らは「さらに100年、200年と続くよう努めたい」と話し、準備にも熱がこもる。(指尾喜伸)
奈良時代の貴族の娘、中将姫が一晩で本尊「
浄土を表す本堂の曼荼羅堂と、現世に見立てた
この菩薩役を務めるのが菩薩講の人々だ。講は300年以上続くとされる世襲団体で、今は葛城と香芝、橿原の3市にまたがる約150世帯で作る。面や衣装を維持し、大きく腰を落として歩く独特の所作を引き継ぐ。重要無形民俗文化財指定に際しても、儀式を守る講の存在が評価の対象になった。
3月31日には、講員約40人が同寺
今年の配役が決まると、観音菩薩、勢至菩薩が登場。中将姫の像をささげて歩くなど重要な役割を担う両菩薩は、あらかじめ扮する講員が決まっており、集まった人たちが見守る中で練り歩き、練習を重ねてきた所作を披露していた。
菩薩講の代表を務める桝井正広さん(78)は「毎年、講の皆さんと話し合いながら、準備を進めている。今年は指定を受けた特別な年。後継者が減っているのが大きな悩みだが、これからもっと熱を入れて続けられるよう取り組んでいきたい」と話していた。
練供養会式は14日午後4時から。雨天の場合は来迎橋ではなく、曼荼羅堂の周囲を練り歩く。
(2024年4月8日付 読売新聞朝刊より)
4月16日に東京国立博物館で開幕する特別展「法然と極楽浄土」では、2004年まで実際に使われていた菩薩面24面のうち、「普賢」や「観音」など鎌倉時代のものを含む4つの面をご覧いただけます。展示作品や期間をまとめた「出品目録」など、詳しくは展覧会サイトで。
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