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2023.5.11

京都・神護寺の国宝「高雄曼荼羅」約230年ぶりの修理終え開眼法要…24年に一般公開へ

6年に及ぶ修理を終え、営まれた「高雄曼荼羅」の開眼法要(10日、京都市右京区の神護寺で)=河村道浩撮影

神護寺(京都市右京区)の国宝「紫綾むらさきあや金銀泥絵きんぎんでいえ両界りょうかい曼荼羅まんだら図」(高雄たかお曼荼羅)が約230年ぶりの修理を終え、境内の金堂で10日、開眼法要が営まれた。

胎蔵界、金剛界の2幅からなり、いずれも縦横約4メートル。真言宗の開祖・弘法大師空海が制作に関わり、現存する唯一の作例とされ、紫色の絹に金銀泥で仏や菩薩などを描いている。

修理は江戸後期の光格天皇の勅願で行われた1793年以来。2016年から6年間かけて、汚れを落としたり、失われた絹を補ったりしたという。

約80人が参列した法要では2幅が掲げられ、谷内弘照貫主(67)は「真言宗全体のご本尊。修理ができ、感無量です」と話した。

高雄曼荼羅は来年4月13日~6月9日に奈良国立博物館で開催される空海の生誕1250年記念特別展「空海 KUKAI―密教のルーツとマンダラ世界」(読売新聞社など主催)で、修理後初めて一般公開される。

(2023年5月11日付 読売新聞朝刊より)

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