奈良県斑鳩町の法隆寺は、聖徳太子(574~622年)によって607年に創建されたとされる。今年は太子の1400年遠忌にあたり、これを記念する特別展「聖徳太子と法隆寺」では、神秘的なほほえみで知られる国宝の「薬師如来坐像」など多彩な寺宝を通じて、「十七条の憲法」など国の制度を整え、仏教を中心とした国造りを進めた太子の偉業を見つめ直す。
東アジアの仏像史が専門の藤岡穣・大阪大教授に、特別展の注目点を聞いた。
本展には、金堂の薬師如来坐像(国宝)が展示される。
薬師如来の光背には、607年造立とあるが、623年に完成した金堂の釈迦三尊像より技法が進んでいることなどから、釈迦三尊像を手本に、7世紀後半に造られたと考えられている。だが、耳の形が似ているなど共通点が多い。制作年はさほど変わらない可能性もあるのでは、と考えている。
太子の肖像の中でも、秘仏の「聖徳太子および侍者像」は、平安時代後期を代表する彫刻だ。太子の写実的な表現が素晴らしい。細く切った
今回は、廃仏
◇聖徳太子1400年遠忌記念 特別展 聖徳太子と法隆寺
4月27日(火)~6月20日(日) 奈良国立博物館(奈良市)
7月13日(火)~9月5日(日) 東京国立博物館(東京・上野公園)
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