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2022.2.15

特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」より<中> 違う顔立ち なぜペアに…「日光菩薩立像」「月光菩薩立像」

「日光菩薩立像」(部分) 平安時代(10~11世紀) 奈良・正暦寺蔵
「月光菩薩立像」(部分) 平安時代(10~11世紀) 奈良・正暦寺蔵

大神おおみわ神社の神宮寺(神社に付属した寺)だった大御輪寺だいごりんじに本尊十一面観音(聖林寺蔵)とともに安置されていたが、明治の神仏分離に伴い、奈良市菩提山町の正暦寺しょうりゃくじに移されてきた。

高い宝冠や量感のある体型から、二体とも平安時代の作だとわかる。しかし、その顔立ち、体つき、材の種類など、それぞれ違いがあり、当初からペアの像だったとは思えない。

どのような経緯で大御輪寺に安置され、日光・月光とされたのかは、謎のままである。

(奈良国立博物館美術室長 岩井共二)

【会期】3月27日(日)まで ※2月21日(月)、28日(月)、3月22日(火)は休館
【会場】奈良国立博物館(奈良市登大路町)
【主催】奈良国立博物館、読売新聞社、文化庁、日本芸術文化振興会
【問い合わせ】同館050-5542-8600(ハローダイヤル)
※料金など詳細は公式サイトで https://tsumugu.yomiuri.co.jp/shorinji2020/

もっと知りたい「聖林寺十一面観音」
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https://tsumugu.yomiuri.co.jp/gallery/shorinji_juichimen_top.html

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