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2022.2.14

特別展「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」より<上> 疫病終息導く強い意志…国宝「十一面観音菩薩立像」

国宝「十一面観音菩薩立像」奈良・聖林寺蔵 (部分)

十一面観音像について述べた経典には、疫病が蔓延まんえんしたとき、十一面観音の頂上にある仏面にひもを結びつけて唱えると、疫病が退散すると説かれる。

この像も奈良時代に疫病が流行した際に、その終息を願って造られたとする説が有力である。

腰高ですらりとしたプロポーションながら、胸板は厚く堂々としており、顔つきも厳しい。その姿からは、人々の苦しみを取り除き、救いに導こうとする、強い意志のようなものが感じられないだろうか。

(奈良国立博物館美術室長 岩井共二)

【会期】3月27日(日)まで ※2月21日(月)、28日(月)、3月22日(火)は休館
【会場】奈良国立博物館(奈良市登大路町)
【主催】奈良国立博物館、読売新聞社、文化庁、日本芸術文化振興会
【問い合わせ】同館050-5542-8600(ハローダイヤル)
※料金など詳細は公式サイトで https://tsumugu.yomiuri.co.jp/shorinji2020/

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