皇室ゆかりの美術工芸品から、各時代、分野の名品をそろえた特別展「美をたどる 皇室と岡山~三の丸尚蔵館収蔵品より」が、〔岡山〕県立美術館(岡山市北区天神町)で開かれている。見どころを3回にわたり紹介する。
「塩瀬友禅に刺繍海棠に孔雀図掛幅」
西村總左衛門(12代)
明治14年(1881年)
明治期に活躍した京友禅の老舗「千總」の十二代西村總左衛門は、西洋の技術や化学染料を取り入れ、友禅染の改良を図った。また意匠を刷新するため、日本画家たちに図案を依頼し、絵画的で大型の美術染織作品を制作。国内外の博覧会に出品し高い評価を得た。
本作は第2回内国勧業博覧会に出品されたもので、江戸時代後期、京都で活躍した岸駒が描いた「孔雀図」をもとに、海棠の花咲く水辺の岩に憩う艶やかな雌雄の孔雀を中心に、鵲や雀などの小禽をさまざまな友禅染技法を駆使して表現する。さらに孔雀の羽や花の蘂、小禽の目や蜜蜂に刺繍を施した。周囲の表具も、友禅染に刺繍を施すなど絢爛豪華に仕上げている。
(〔岡山〕 県立美術館副管理者学芸課長 福冨幸 )
〔2023年〕8月27日まで。県立美術館(086・225・4800)。
(2023年8月1日付 読売新聞朝刊より)