先人が大切に守り育んできた金襴手という繊細で手間暇のかかる金彩技法を、現代の生活スタイルの中に新しい表現として持ち込みたいという思いから、様々な工夫を加えながら独自の表現を作り上げてきました。磁器という素材の冷たい美しさと、彩色金襴手という華やかで豊かな金彩技法を、いかにして纏め上げ自分の表現として完成させていくか、ということを作品作りの上で常に考えています。
吉田 幸央(1960- )Yoshita Yukio
石川県生まれ。1982年金沢美術工芸大学工芸科卒業後、石川県立九谷焼技術研修所で学び、父・𠮷田美統に師事して修業した。クラフトや伝統工芸の分野で活動し、1992年及び2009年伝統九谷焼工芸展大賞や2010年日本伝統工芸展優秀賞を受賞、また国際陶芸ビエンナーレ等でも活躍している。九谷焼の伝統技法を基調に、白磁の地に清新な色調の色を多彩に塗り重ね、そして金彩を焼き付ける金襴手彩色によって華麗な装飾意匠の造形としている。石川県小松市在住。
0%