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2024.1.10

尾上菊五郎劇団—初春歌舞伎、新国立劇場(東京・初台)で開幕

鳶頭を演じる尾上菊五郎さん=二階堂健撮影、国立劇場提供

建て替えのため閉場した国立劇場(東京・半蔵門)で恒例だった尾上菊五郎劇団による初春歌舞伎公演が、新国立劇場中劇場(東京・初台)に場所を移して〔2024年1月〕5日、開幕した。

幕開きの「梶原平三かじわらへいぞう誉石切ほまれのいしきり」では、尾上菊之助さんが義父・中村吉右衛門さんの当たり役だった梶原平三景時を初役で勤める。吉右衛門さんが先代から受け継いだ刀や生前に作っていた印籠を借りて大役に挑んでいる。「懸命に生きる美しさや梶原の思いが詰まったお正月らしい公演です」と菊之助さんは話す。

陰陽師・安倍晴明は白狐びゃっこの子どもであるという伝説が基になった「芦屋道満あしやどうまん大内鑑おおうちかがみくずの葉―」では、中村梅枝さんが女房葛の葉・葛の葉姫の2役をそれぞれ初役で勤める。父の中村時蔵さんが演じてきた2役を受け継ぎ、時蔵さんは葛の葉の夫・安倍保名を演じる。梅枝さんは「深い愛情をストレートに出したい」と意気込みを語った。

勢獅子きおいじし門出初台かどでのはつだい」は、鳶頭とびがしらや芸者衆、手古舞らが勢ぞろいする華やかな舞踊。菊五郎さんの孫、尾上丑之助君と尾上眞秀まほろ君、時蔵さんの孫の小川大晴君と、音羽屋(菊五郎家)と萬屋(時蔵家)のそれぞれ3世代がそろって舞台に上がり、新春を祝う。公演は〔2024年1月〕27日まで。

(2024年1月7日付 読売新聞朝刊より)

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