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2026.1.25

【修理助成 全国に広がる4】重要文化財「梅竹蒔絵鞍うめたけまきえくら」(茨城・鹿島神宮蔵)

2026年度「紡ぐプロジェクト」修理助成事業

重要文化財「梅竹蒔絵鞍うめたけまきえくら」 鹿島神宮蔵
鹿島神宮提供

2026年度の「紡ぐプロジェクト」修理助成事業は、宮城県から重要文化財「瑞巌ずいがん寺本堂墨絵の間障壁画」(瑞巌寺蔵)、福岡県から同「不空羂索けんさく観音立像」(観世音寺蔵)、高知県から同「大威徳明王だいいとくみょうおう像ほか12件」(竹林寺蔵)が申請された。修理助成対象となった計7件はいずれも劣化が進み、絵画3件は本紙の亀裂やのりの劣化、仏像3件は漆箔しっぱく層の浮き上がりや虫食いなどが見られる。貴重な文化財を後世に伝えるため、素材を調査し、最善の修理方法を検討したうえで、1年~数年の作業に着手する。

鎌倉時代作 蒔絵の鞍で最古級

梅竹蒔絵鞍うめたけまきえくらは、ケヤキ材に黒漆が塗られ、前輪まえわ後輪しずわに蒔絵による装飾が施された鎌倉時代のくら。古代~中世の鞍は、薄く切った貝殻をはめ込む「螺鈿らでん」で飾られたものが多く、蒔絵の鞍としては現在知られている中で最古級の作例という。

蒔絵は、表面に漆で絵を描き、金粉などを振りかけて文様を表現する日本独自の装飾技法。前輪と後輪の外側には竹枝と梅枝の文様、内側には竹枝の文様が金蒔絵で表されている。梅花部分はすずの粉を使った蒔絵で表現され、錫による蒔絵は現存例が少ない点からも貴重だ。

鎌倉幕府の記録「吾妻鏡あずまかがみ」には建久2年(1191年)12月に源頼朝が鹿島神宮に馬を奉納したという記述があり、社伝ではその時に奉納された鞍とされる。形状や装飾技法から実用的な鞍ではなく、神事で使われたものとみられるが、有力な武士によって奉納された可能性は高い。

蒔絵部分はさびや摩滅で劣化し、漆膜にも亀裂が見られる。前輪と後輪、乗り手が座る「居木いぎ」は、ひもが緩んで不安定な状態になっており、2018年から茨城県立歴史館に寄託されている。

修理では鞍を解体し、ほこり除去や漆の剥落はくらく止めなどを行い、再度組み立てる。28年3月までに修理完了を目指す。修理後は32年までに完成予定の同神宮のミュージアムで公開する方針だ。

(2026年1月11日付 読売新聞朝刊より)

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