「紡ぐプロジェクト」が助成する文化財の修理が順調に進んでいる。現在の姿のまま後世に伝えるべく、試行錯誤を重ねながら慎重な作業が続く。西福寺(大阪府豊中市)の伊藤若冲筆「蓮池図」は、この春にも修理完了を迎える。草堂寺(和歌山県白浜町)の「障壁画」の下張りからは古文書が新たに見つかった。
隣華院(京都市右京区)所蔵の重要文化財「山水図
この後、傷みが少ない1面から本格的な修理に着手し、大きく欠損した部分に当てられていた補修紙を、周囲となじませるため整えた。
昨年〔2023年〕11月には、京都国立博物館の文化財保存修理所で所蔵者、「修美」の修理担当らが、残る3面をどの程度補彩すべきかなどを協議した。金の粉末を
現状維持を基本に、以前に修理した補修紙は残し、新たな補修には、画面全体がなじんで見える程度に補彩する方針だ。
(2024年2月4日付 読売新聞朝刊より)
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