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2022.10.17

【皇室ゆかりの名品】「四季草花図屏風」児玉希望筆 琳派の様式にモダニズム

「四季草花図屏風(しきそうかずびょうぶ)」 児玉希望 1936年(昭和11年)
宮内庁三の丸尚蔵館蔵
㊤右隻(展示終了)
㊦左隻(2022年10月30日まで広島県立博物館で展示)

四季しき草花図そうかず屏風びょうぶ

金地の六曲一双屏風に咲く色とりどりの花々。右隻(前期展示)には、蒲公英たんぽぽ芍薬しゃくやくなどの早春から初夏にかけての草花、左隻(後期展示)にははぎ撫子なでしこなど、秋から冬にかけての草花を描き、四季の推移が表現される。

皇后宮職の依頼により制作された本作は、琳派りんぱの表現様式に倣いつつ、丁寧な自然観察に基づいた描写や、草花を囲む空間に自然な立体感を与えている点に、近代画家としての創意が生かされている。

作者の児玉希望は、1898年(明治31年)、現在の安芸高田市に生まれた。上京して川合玉堂に師事し、官展・日展を中心に活躍。幅広い画風により生涯をかけて日本画のモダニズム表現を切りひらき続けた。

(広島県立美術館主任学芸員 神内有理)

皇室に代々受け継がれた美術品から、皇室と広島をつなぐ美の世界を示す特別展「皇室の美と広島―宮内庁三の丸尚蔵館の名品から」が、広島県立美術館(広島市中区上幟町)で開かれている。10月30日まで。月曜休館。県立美術館(082・221・6246)。

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