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2022.5.5

特別展「最澄と天台宗のすべて」(京都会場)より<3> 神猿 ユニークに表現…重要文化財「日吉山王金銅装神輿(樹下宮)」滋賀・日吉大社蔵 

重要文化財「日吉山王金銅装神輿(樹下宮)」 江戸時代(17~19世紀) 滋賀・日吉大社蔵

白河天皇が「三不如意」として己の意のままにならぬものの代表として挙げたのが、鴨川の水の流れと双六のさいの出目、そして山法師、つまり比叡山延暦寺の影響力でした。

特に、延暦寺の大衆と日吉社の神人が神輿みこしを担ぎ出して行う訴えは「強訴ごうそ」と呼ばれ、朝廷にとって畏怖の対象となりました。

本品は日吉大社が所蔵する上七社の神輿7基のうち樹下宮じゅげぐう(十禅師)のもので、日吉の神獣である神猿まさるをユニークに表現したかざり金具が見所です。

(京都国立博物館 工芸室主任研究員・末兼俊彦)

特別展「最澄と天台宗のすべて」(読売新聞社など主催)は、京都・東山七条の京都国立博物館で5月22日まで開催中(期間中、一部で展示替えあり)。問い合わせは075・525・2473(同館テレホンサービス)。

神輿を担いで行われる山王祭とは…

出品リストやチケット情報は公式サイトでチェック! https://tsumugu.yomiuri.co.jp/saicho2021-2022/

もっと知りたい「最澄と天台宗のすべて」

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