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2022.4.30

特別展「最澄と天台宗のすべて」(京都会場)より<2>密教法具など納める…「勅封唐櫃」(滋賀・延暦寺蔵)

「勅封唐櫃(からびつ)」 明治24年(1891年) 滋賀・延暦寺蔵

比叡山延暦寺では、5年ごとの法華会ほっけえで、勅使(現在は宮内庁職員)が特別な寺宝を点検します。この伝統は明治維新の混乱で途絶えましたが、明治12年(1879年)に復興し、この唐櫃からびつもまもなく新調されました。

櫃に納まる寺宝は、最澄を唐に遣わした桓武天皇の肖像画や、高さ9センチほどの1行に85文字前後を詰め込み、長さ2.3メートルにわたって法華経ほけきょうなど7種の経典を連写した極細字の経巻、中国製の密教法具や袈裟けさなどです。

本展のために臨時の「開封の儀」が執り行われ、出展がかないました。

(京都国立博物館 教育室長・永島明子)

特別展「最澄と天台宗のすべて」(読売新聞社など主催)は、京都・東山七条の京都国立博物館で5月22日まで開催中(期間中、一部で展示替えあり)。問い合わせは075・525・2473(同館テレホンサービス)。

出品リストやチケット情報は公式サイトでチェック! https://tsumugu.yomiuri.co.jp/saicho2021-2022/

もっと知りたい「最澄と天台宗のすべて」

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