政府の文化プログラム「日本博」の一環として3月12、14日、皇居外苑で開催された特別公演「祈りのかたち」。
3日目の14日は前日の雨天から一転、快晴に恵まれ、琉球舞踊や狂言、能など華やかな演目で会場を魅了、フィナーレを迎えた。
徳川将軍や琉球国王の代替わりに江戸へ派遣された使節団が披露したと伝わる琉球の祝儀舞踊。
元服した成年男子が踊る二才踊の一つ。緩急と強弱の利いたりりしさを感じさせる、さっそうとした踊りが披露された。
華やかな美女2人(写真右)と、地味な衣装の醜女2人(同左)を対比させ、「顔だけでなく心が大切だ」と説く。美女をまねようとする醜女の不器用さが楽しい。
(出演者)琉球舞踊 女踊 四つ竹・二才踊 麾・琉球古典音楽斉唱 組踊「二童敵討」より・打組踊 醜童/玉城盛義、東江裕吉、新垣悟、宮城茂雄▽歌三線 仲村渠達也、喜納吏一、仲尾勝成▽箏 名嘉ヨシ子▽笛 宇保朝輝▽胡弓 森田夏子▽太鼓 宮里和希▽舞踊指導 玉城秀子
天から宝船が訪れるというおめでたい演目で、シテ方宝生流宗家、宝生
(出演者)舞囃子(宝生流)岩船/シテ 宝生和英▽笛 松田弘之▽小鼓 曽和正博▽大鼓 安福光雄▽太鼓 小寺佐七▽地謡 大坪喜美雄、佐野由於、金井雄資、金森良充、川瀬隆士、田崎甫
キノコをユーモラスに擬人化した演目で、腰をかがめてチョコチョコと動き回るキノコたちの演技に笑いが起こった。
(出演者)狂言(和泉流)茸 シテ/山伏 石田幸雄▽アド/何某 野村太一郎▽立衆/茸 飯田豪、中村修一、内藤連、石田淡朗、野村裕基、野村遼太、岡聡史▽立衆/鬼茸 深田博治
白獅子(観世清和さん、観世銕之丞さん)、赤獅子(観世三郎太さん、観世淳夫さん)がそれぞれ2体ずつ登場する豪華な演出で、強風に長い毛がなびいて一層、雄々しい獅子の舞となった。
(出演者)半能(観世流)石橋 大獅子 シテ/白獅子 観世清和、観世銕之丞▽ツレ/赤獅子 観世三郎太、観世淳夫▽ワキ/寂昭法師 福王茂十郎▽アイ/仙人 野村万作、深田博治、高野和憲▽笛 杉信太朗▽小鼓 飯田清一▽大鼓 亀井広忠▽太鼓 小寺真佐人▽後見 観世恭秀、山階彌右衛門、谷本健吾▽地謡 角寬次朗、観世芳伸、関根知孝、浅見重好、木原康之、藤波重彦、武田友志、坂井音隆、長山桂三、武田宗典
日本博のテーマ「日本人と自然」に沿い、皇居の自然と二重橋を背景に舞台を特設。江戸時代に天下泰平を祈った能・狂言を中心に、東日本大震災の復興祈念で東北の民俗芸能、沖縄・首里城の再建を願い琉球芸能を上演する。
(3月12~14日、皇居外苑 皇居前広場)
【主催】日本芸術文化振興会・文化庁・環境省 【スタッフ】監修 観世清和、大和田文雄▽技術監督 横沢紅太郎▽美術・照明・音響・舞台・舞台監督・制作 日本芸術文化振興会/国立劇場・国立能楽堂・国立劇場おきなわ・日本博事務局
(2021年3月28日読売新聞より掲載)
0%