18世紀の京都で円山応挙に学んだ長沢芦雪は、大胆な構図や自由奔放な画風で当時から人気があり、近年も「奇想の画家」として注目を集める。特に紀州(和歌山県)の寺院では、応挙の名代として数多くの障壁画を手がけた。
芦雪は動物の表現も得意とした。修理対象となる障壁画のうち「
成就寺に残されていた壁貼付1面は、紡ぐプロジェクトの助成も得て修理を実施中。さらに5年かけて、和歌山県立博物館に寄託・保管されるふすま絵の一部を修理する。
寺の建具として日常的に使われていたため、傷みが進んでおり、虫食いなども目立っている。骨組みから絵を取り外し、修理を行った後、組み立て直す。
(2021年1月7日読売新聞より掲載)
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