2021.1.25

【養成事業50年】研修生から人間国宝へ…竹本葵太夫インタビュー「ハラの中ですべて語る」

歌舞伎で演奏される義太夫節「竹本」の太夫(語り手)、竹本葵太夫さんは、国立劇場の研修修了者だ。2019年、研修出身者では初の人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定された。重厚で説得力のある語りは中村吉右衛門さんを始め、俳優たちの信頼も厚い。

全ての物語を語る文楽の太夫と違い、竹本は人物のセリフは語らないが、「ハラの中で全てを語っています」。俳優と一体となって物語の世界観を描き出すためだ。「竹本は、役者さんによって『仕立て直し』が必要になる。お稽古中は『これがいいか、あれがいいか』と常に考えています。いたって職人の仕事です」

2005年から国立劇場の研修講師になり、今は中学を卒業したての研修生を指導している。そのあどけない顔を見て、自らが15歳で義太夫節を志した初心も思い出されたという。

後輩や研修生の稽古では、音程をはっきり示すためにキーボードを活用するなど、柔軟な発想の持ち主だ。「譲れないものは絶対に譲れないが、改良すべきものは改良したらいい」。新作や復活作品の作曲を任される機会も多く、竹本はクリエイティブで、やりがいのある仕事だと自負している。

たけもと・あおいだゆう 1960年、東京都生まれ。高校卒業後の79年、歌舞伎音楽(竹本)の第3期研修生となり、同年、二代目葵太夫を名乗り、「仮名手本忠臣蔵」五段目で初舞台。

葵太夫さんの授業の様子はこちら

(2020年11月8日付読売新聞朝刊より掲載、一部加筆)

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