2020.8.19
#古都の祈り
#奈良
閑散とした境内に、愛らしい鹿が群れをなして現れた。コロナ禍が起きるまで訪日外国人客ら大勢の参拝者で混雑していた興福寺。いま訪れる人は減り、警戒心の強い子鹿の姿も目立つという。
森谷英俊貫首(かんす)(70)は「振り返れば、20年ほど前もこんな感じ。むしろ落ち着いた今だからこそ、心静かにお参りいただけるのではないでしょうか」と話す。
寺は710年に都が平城京に移った頃、創建された。以後、疫病だけでなく、戦乱や廃仏(はいぶつ)毀釈(きしゃく)など危機を幾度も乗り越えてきた。
今回の苦難にも、森谷貫首は自らの役割をこう語る。「昔も今もできることに変わりはない。我々ができることは心を寄せ、人々のために読経することです」
2年前、約300年ぶりに再建された中核建物の中金堂(ちゅうこんどう)も、4月から拝観を停止中だ。代わりに別のお堂では毎日昼頃、僧侶が早期終息を祈っている。読経が流れる中、参拝者が1人、2人と訪れる。適度な距離を保ちつつ、そっと手を合わせていた。
2020年8月18日付読売新聞から掲載
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