文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」は、2024年度に実施する修理助成事業の対象に、奈良・興福寺の国宝「弥勒仏坐像」など9件を決めた。有識者でつくる選考委員会が公募の中から選定した。
興福寺北円堂に安置されている弥勒仏坐像は、カツラ材の寄せ木造りで、鎌倉時代の仏師・運慶晩年の傑作として名高い。背面の漆箔の浮き上がりが著しく、1年かけて剥落止めなどを行う。
このほか、国宝は「宋版太平御覧」(京都・東福寺蔵)、「聖徳太子及天台高僧像」(兵庫・一乗寺蔵)、重要文化財では「八相涅槃図」(福井・劔神社蔵)、「聖徳太子勝鬘経講讃図」(三重・西来寺蔵)、「金峯山経塚出土紺紙金字経」(奈良・金峯山寺蔵)、「満済像、義賢像、義堯像、義演像、覚定像」(京都・醍醐寺蔵)、「厨子入普賢菩薩像」(京都・岩船寺蔵)、「山水図」伊藤若冲筆(大阪・西福寺蔵)が選ばれた。新たに選ばれた文化財の詳細は後日、読売新聞で紹介する。
(2023年12月19日付 読売新聞朝刊より)
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