2021.12.21

【修理リポート】若冲のハス、シワ伸び「しっとり」~西福寺の蓮池図

「紙本墨画蓮池図」の修理状況を説明する修理技術者(京都国立博物館で)

池に浮かぶハスを画題とした伊藤若冲じゃくちゅう作の水墨画「紙本しほん墨画ぼくが蓮池図れんちず」(大阪・西福寺蔵)の修理協議は、10月14日に行われた。

全6幅の本紙は劣化が進み、汚れやシワも目立っていたが、クリーニングを行い、仮裏打ち紙を施したことで折れを解消した。「作品本来のしっとりとした空気感が感じられるようになった」(文化庁の中野慎之調査官)という。

モニターを使って「紙本墨画蓮池図」の修理状況を確認する関係者ら

過去の修理で用いられた補修紙の取り扱いも焦点となった。一般的に文化財修理は、後世に付け足された素材は極力取り除くのが基本だ。だが、この作品は補修紙が本紙とよくなじんでおり、作品を傷める要因にもなっていないことから、現状のまま、すべて残すこととした。

修理前の表具は黄土色だったが、「もっと引き締まった印象になる方が望ましい」(西福寺の榎原清了せいりょう住職)との意向を踏まえて表具を新調することとした。

修理は2021年度から23年度までの3年計画。順調に作業が進めば、来年夏以降に再び協議の場を設ける予定だ。

(2021年12月8日読売新聞から)

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若冲のハス、3年かけ修理へ~大阪・西福寺蔵「紙本墨画蓮池図」 | 紡ぐプロジェクト (yomiuri.co.jp)

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