紡ぐプロジェクトがスタートして4年目。貴重な文化財の修理が進む一方で、公開も進んでいる。
修理を終えたもの、これから修理を控えたもの。所蔵元や展覧会に足を運び文化財に直接触れることも、文化財を保存し後世に伝える後押しとなる。
浄瑠璃寺(京都府木津川市)の本堂に安置されている9体の国宝「木造阿弥陀如来坐像」(九体阿弥陀)のうち、最も大きな「中尊」の修理が完了し、奈良国立博物館(奈良市)の文化財保存修理所で作業内容が報告された。
中尊は高さ約2.2メートルで、平安時代後期に作られたとされる。平安時代は9体の阿弥陀如来像を納めた建造物が多く作られたが、当時のまま残っているのは、浄瑠璃寺しかないといい、貴族たちの間で流行した浄土信仰の様子を伝える貴重な文化財だ。
明治時代に行われた最後の修理から100年以上が経過し、多くの箇所で漆地に
「全身にわたって見た目以上に浮き上がりが進んでおり、定着させるのに時間がかかった」と、修理を担った美術院国宝修理所(京都市)の橋本
像の背後にある光背や台座も修理した。江戸時代に作られた光背には、約1000体の小さな「
中尊は夏頃に本堂に搬入し、2022年度に9体全ての修理を終える予定。浄瑠璃寺の佐伯
(2021年5月2日読売新聞より掲載)
国宝「木造阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀)」(京都・浄瑠璃寺) 中尊を110年ぶりの修理へ搬出 | 紡ぐプロジェクト (yomiuri.co.jp)
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