文化庁、宮内庁、読売新聞社が推進する「紡ぐプロジェクト」の文化財修理事業で、浄土宗総本山・知恩院(京都市東山区)所蔵の国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図」(早来迎、13~14世紀)の本格的な修理が10月25日、京都国立博物館(同区)で始まった。
早来迎は、阿弥陀如来が諸菩薩と共に、往生を願う臨終の念仏者の元へ飛来する様子が、縦1.45メートル、横1.55メートルの大画面に精密に描かれている。
この日は、技術者によって、掛け軸の表具から図を切り出す作業が行われた。今後は、顔料がはがれ落ちるのを防ぐ「剥落止め」やクリーニングを実施するという。
修理を担う光影堂(同市中京区)の小島知英技師長は「表具からの取り外しは作業の第一歩。図のすぐそばに刃物を入れるので緊張しました」と話していた。