2019.10.28

高野山金剛峯寺 像内から発見の経典 修理方針を確認

文化庁、宮内庁、読売新聞社が推進する「紡ぐプロジェクト」の修理事業として、高野山金剛峯寺(和歌山県高野町)所蔵の重要文化財「木造執金剛神しゅこんごうしん立像りゅうぞう・木造深沙大将じんじゃだいしょう立像」の胎内から見つかった陀羅尼だらに (経典の一つ)の修理が、奈良国立博物館(奈良市)で進められている。関係者が18日、同博物館を訪れ、作業の進行状況や今後の方針を確認した。

修理技術者(右)から作業の進行状況などについて説明を受ける高野山金剛峯寺の関係者ら(18日、奈良国立博物館で。文化庁提供)


2体は鎌倉時代を代表する仏師・快慶の作。胎内から経典「宝篋印ほうきょういん陀羅尼だらに」が発見され、像が制作された時期や経緯が判明した。経典の断片化や欠損が見られるため、修理では、蒸気を当てながら、巻かれていた紙を開いていく作業などを実施。今後は、裏側に補強のための紙を貼るなどして、仕上げていく。

いずれも快慶作の重要文化財「木造執金剛神立像(左)・木造深沙大将立像(右)」(高野山霊宝館提供)

この日は、修理を手がける「文化財保存」(奈良市、吉岡宏社長)の技術者が、高野山金剛峯寺と和歌山県教育庁の関係者らに作業の進行状況を説明。今年度中に作業を終える予定で、補強に使う紙の色合いなどについて話し合った。

像を展示している高野山霊宝館(山口文章館長)の鳥羽正剛学芸員は「高い修理技術に触れて感動した。将来、陀羅尼の保存・修理のプロセスも館で紹介したい」と話していた。

陀羅尼は像内に金属製のかすがいで留められていた。上部にはかすがいで開いた穴が等間隔に並んでいる(文化庁提供)
細かい紙片になっていた部分もある。丁寧に開いて、書かれた文字からどの部分かを推考して元の状態に並べる(和歌山県教育庁提供)

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