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2023.6.5

聖徳太子ゆかり最古の刺繍「天寿国繍帳」を着物に復元…奈良・中宮寺で9月30日まで公開

天寿国繍帳の一部が復元された衣服を着る太子像(奈良県斑鳩町で)

聖徳太子ゆかりの国内最古の刺繍ししゅう天寿国てんじゅこく繍帳しゅうちょう」(国宝)の一部を復元した着物が、京繍きょうぬいの第一人者・長艸ながくさ敏明さん(74)らによって制作され、1日、現物を所蔵する中宮寺(奈良県斑鳩町)に奉納された。

天寿国繍帳は622年の太子没後に作られ、鳳凰ほうおうや天人、亀などが刺繍で表現されている。今回は制作から1400年を記念し、着物として復元することになった。

長艸さんは1月から京都市内の工房で職人5人と半年かけて制作。紫色の絹地に鳳凰などが色鮮やかに刺繍されている。天寿国繍帳を研究する三田覚之・奈良国立博物館主任研究員の監修で、糸の強度や本数、幅など飛鳥時代の技法を忠実に再現した。

奉納後、復元品(高さ約90センチ、最大幅約80センチ)は同寺の聖徳太子二歳像(像高約70センチ)にかぶせられた。日野西光尊門跡は「見ていただくことで、太子様の和の心を感じてほしい」と語り、長艸さんは「研究してきたことが形になって仕事冥利みょうりに尽きる」と話した。

衣服は2日~9月30日に同寺本堂で一般公開される。拝観料が必要。

(2023年6月2日付 読売新聞朝刊より)

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