東京、京都で展示する重要文化財「道邃和尚伝道文」(滋賀・延暦寺蔵)は、「紡ぐプロジェクト」の助成で2019年度に修理を行った。修理後、寺外で公開されるのは初めてとなる。
平安時代に入唐した最澄が、高僧・道邃から授かった伝道文の写しとされる。折り畳まれていた時間が長かったとみられ、修理前は縦方向の折れや虫食いが目立っていた。
修理は光影堂(京都市)が担当し、膠を溶いた水溶液で墨の剥落止めを施した後、クリーニングや裏側に貼られた裏打紙の除去などを行った。
本紙は表側に「伝道文」、裏側には経文(大般若経の一部)が書かれていることが分かり、今回の修理では裏打ちをせず、鑑賞しやすくした。
(2021年10月3日読売新聞から)
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