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2022.2.2

愛媛・等妙寺の秘仏「菩薩遊戯坐像」内部に五輪塔…九州国立博物館のCT調査で確認

特別展「最澄と天台宗のすべて」で公開へ

愛媛県鬼北町の等妙寺の本尊、菩薩ぼさつ遊戯ゆげ坐像ざぞう(13世紀、鎌倉時代)の体内に、八角柱を主体とした珍しい形の木製の五輪塔が納められていることが、九州国立博物館(福岡県太宰府市)のX線CTスキャン調査でわかった。仏像に魂を込めるため特別に制作されたとみられる。

「菩薩遊戯坐像」のX線CTスキャン画像。首の部分に五輪塔の形が見える

像は菩薩が片膝を立てて岩の上にくつろぐ姿を表した高さ89センチの木像で、60年に1度しか公開されない秘仏として知られる。顔立ちや着衣の写実的な表現などから、運慶・快慶に続く世代の京都周辺の仏師の作とみられる。

「菩薩遊戯坐像(伝如意輪観音)」(愛媛・等妙寺蔵)

損傷の有無や内部構造を確認するため昨年末、同館が調査したところ、像内の首の部分で高さ約5センチ、幅約2センチの五輪塔が確認された。さらにこの塔内部には、舎利(釈迦や聖者の遺骨)を表現した直径1~3ミリの粒が約20個納められていることもわかった。

五輪塔は球体や四角柱、円柱状の部材を重ねたものだが、今回確認された塔は八角柱を主体とする独自の造形だ。同館の大澤信・研究員は「仏教で8は完全な数字とされる。制作や寺への伝来の背景を探る上で貴重な発見だ」と話している。

菩薩遊戯坐像は2月8日~3月21日に同館、4月12日~5月22日に京都国立博物館で開かれる特別展「最澄と天台宗のすべて」で公開される。

(2022年2月1日付 読売新聞朝刊より)

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