〔奈良県〕葛城市の当麻寺で〔2024年4月〕14日、奈良時代の貴族の娘・中将姫の極楽往生を再現する「練供養会式」が営まれた。3月には国の重要無形民俗文化財に指定。1000年以上続くとされる伝統行事を参拝者らが見守った。
中将姫が同寺の国宝「綴織當麻曼荼羅」を一晩で織り上げ、菩薩らに極楽浄土へと導かれる様子を表した儀式で、姫の命日に合わせて営まれている。
極楽浄土を象徴する曼荼羅堂(本堂)と、現世に見立てた娑婆堂の間に架けられた約120メートルの来迎橋を、姫の像を手にした観音菩薩を先頭に、菩薩に扮した一行がゆっくりと練り歩いた。
和歌山県から訪れた70歳代の女性は「人生は短く、悲しいことや苦しいことがいっぱいだが、極楽では心配ごともないでしょう。中将姫が祝福される物語が素晴らしいです」と話した。
(2024年4月16日付 読売新聞朝刊より)
「練供養会式」で使われた菩薩面も展示中です!