東京国立博物館で6月26日まで開催中の特別展「琉球」では、復帰50年を記念した、まさに特別な機会だからこそ見られる「本物」があります。沖縄県立博物館・美術館の伊禮拓郎学芸員に選りすぐりの3点を紹介してもらいました。
1879年に沖縄県が設置されると、日本への同化が急速に進みました。そうした時代、1921年に沖縄県女子師範学校の教諭となった鎌倉芳太郎は、そのかたわら、沖縄文化研究に取り組むようになり、同年9月、「鎌倉ノート」として今に伝わる日記を付け始めました。
離島を含めたフィールドワークは1937年までの間で5度にわたり、ノートには沖縄のことばや祭祀などの風俗から、染織品の文様、美術工芸品のスケッチまで、幅広い分野について詳細に記録されています。ノートはなんと81冊!
その後沖縄は戦地となり、多くの貴重な文化財が消失しました。また、受け継ぐことができなくなった技や、言葉、風習などもたくさんあります。そうしたものに再び光を当て、再び取り戻そうとしたとき、鎌倉ノートや、撮影された写真などは貴重な資料となりました。
特別展「琉球」は7月16日から九州国立博物館で開催! 公式サイトはこちら→ https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/
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