輪島塗や珠洲焼など、能登半島地震で被害を受けた伝統工芸を展示販売する「未来につなぐ能登のものづくり」展が、東京・日本橋三越本店1階中央ホールで開かれている=写真=。
展示場所は、120年の歴史を持つ同店において、世界的ブランドの企画などが行われてきた「天女像前」と呼ばれる象徴的なエリア。今展示では木材の囲いが備えられ、石川県能登地方の文化を上質な雰囲気のもと伝えている。
輪島塗は、地震後に結成された有志グループ「輪島の未来のために」(古込和孝代表)を中心に約20の工房が出展。800点近くが販売されている。店頭に立った約15人の作家らが、来場客に作品を丁寧に説明している。
能登の伝統祭事で使われる灯籠「キリコ」や、能登上布(4階でも展開)も会場を彩っている。写真家・平林克己さんが能登の自然や輪島塗の製作風景を収めたパネルも展示。2022年に撮影された珠洲市の見附島、輪島市の千枚田などは、地震で影響を受けてしまったため貴重だ。
「実際に、能登に足を運んでいただきたい」というのが企画した同店の小谷野敬行さんの思いだ。〔2025年3月〕2日午前11時半からは輪島・和太鼓虎之介による演奏が行われる。
展示は4日まで。
(2025年3月2日付 読売新聞朝刊より)
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