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2022.12.10

「日本の技フェア」― 繭からの糸取りなど「文化財守る匠の技術」を紹介

貴重な文化財を未来に残すための修理技術や材料・道具を製作する技を紹介しようと、文化庁が主催する「日本の技フェア」が2022年秋、東京都千代田区で開催された。

伝統建築を守る技術が紹介された「日本の技フェア」 (東京都千代田区で)

紹介されたのは国の「選定保存技術」に認定されている技術と保存団体。建造物や美術工芸品などの有形文化財や、歌舞伎や邦楽など無形文化財を守るために欠かせない技術が披露された。2020年に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠の技」を構成する技術の保存団体も参加した。

会場では「江戸木版画のりと彫り」(浮世絵木版画技術)、「うるしき」(日本産漆生産・精製)、「繭から糸を紡ぐ糸取り」(邦楽器原糸製造)など、職人らによる実演コーナーが設けられ、来場者は日本美を守る“たくみ”の技術に感嘆した様子で見学していた。

繭から糸を紡ぐ糸取り技術を披露する(東京都千代田区で)

今回新たな試みとして、選定保存技術に関する質問を受け付ける「お仕事相談コーナー」も設けられた。後継者の養成や原材料の確保が困難になる中、文化財保存に関心がある人に、仕事の内容や就職先に関する具体的なアドバイスを行う場で、2日間で30人を超える人が相談に訪れた。

(2022年12月6日付 読売新聞朝刊より)

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