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その上部に飾る
祭りでは、町内会や企業などが発注した灯籠約30基が地元の大宮神社に奉納される。熊本城や金閣寺、飛行機、鉄道車両と多彩な作品が並ぶ。一見すると模型のようだが、実物の正確な縮尺ではなく、立体感を演出するために独自の寸法で作られている。
市内の「中村制作所」では、灯籠師の中村潤弥さん(35)が「
中村さんは、中学時代の体験授業をきっかけに灯籠師を志した。8年間の修業を経て2017年に独立。奉納する灯籠以外にも「天空の城ラピュタ」や「ワンピース」の海賊船など、斬新なテーマで作ってきた。
山鹿灯籠の起源は諸説あるが、盛んになったのは豊前街道の宿場町として栄えた江戸時代。当時「旦那衆」と呼ばれた実業家たちがスポンサーとなって職人たちの技が競われ、神事の奉納品として発展してきた。現在は7人の灯籠師が技を受け継ぐ。
山鹿灯籠振興会は15年から、現代のライフスタイルにあった新商品を開発。擬宝珠にアロマオイルが染みて香りが拡散する「アロマディフューザー」は好評で、年間500個以上を売り上げる。制作体験キットも人気で、小学校や企業のワークショップで使われている。
中村さんは「伝統を守りながらも、見る人や自分もワクワクするものを作り続けたい」と語る。
(西部文化部 井上裕介、写真も)
(2024年7月24日付 読売新聞朝刊より)
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